「自分でやったほうが早い」──そんな風に感じて、仕事を全部抱えていませんか?
『任せるコツ』(山本渉 著)は、「任せることでチームが育ち、自分も楽になる」という、当たり前だけど難しいマネジメントの本質を教えてくれます。
本書は、「部下に仕事を任せられない」・「丸投げって無責任では?」という悩みを持つマネージャーやリーダーに向けて書かれています。
任せ方には“技術”があり、それを知らなければ部下も自分も苦しくなるだけ。
- 任せるとは、丸投げとは違う。信頼と準備が必要。
- 任せる前後のフォローで、部下の成長が決まる。
- “誰に任せるか”を見極めることが成功の鍵。
- 褒めること・認めることが「任せる力」を育てる。
- 「任せる技術」は結果的に組織全体の生産性を上げる。
▼通勤・家事の合間に手軽に学びたい方におすすめ
『任せるコツ』の概要
| タイトル | 任せるコツ |
| 著者 | 山本 渉 |
| ページ数 | 272ページ |
| 出版社 | すばる舎 |
| 発売日 | 2023年7月7日 |
著者について
著者の山本渉氏は、人材開発・研修講師として数多くの企業でマネジメントやリーダーシップ研修を行ってきた人物です。
もともとは自分で抱え込み、任せるのが苦手なプレイングマネージャーだった経験から、「任せることの難しさと価値」を身をもって理解。
その経験と実践知をベースに、「誰でもできる任せ方の技術」を伝えています。
『任せるコツ』の要約
「丸投げ」と「任せる」の違いを理解する
まず本書が最初に強調しているのは、「丸投げ」と「任せる」は全くの別物だということです。
- 丸投げ:意図や目的を伝えず、「とにかくやっておいて」と投げる
- 任せる:目的やゴールを共有し、必要なサポートや期待値を明確にする
例えば、営業レポートの作成を部下に任せるとき、
- 「この数字まとめておいて」→これは丸投げ
- 「今期の数字をまとめて、来週の会議用に使いたいから、○○を強調してね」→これは任せる
つまり、「任せる」は相手を信頼し、成功のための土台を一緒に整える行為です。
誰に何を任せるか?人選がすべてを決める
任せるには「人を見る目」も不可欠です。
本書では、任せる相手を選ぶ際のポイントとして以下を挙げています。
- その人の得意分野や興味
- 現時点でのスキルと伸びしろ
- 過去の成功体験・失敗体験
特に印象的だったのは、「無理に苦手な人に任せて潰すのではなく、その人が“ちょっと背伸びすれば届く仕事”を振るのがベスト」という考え方。
これは部下の成長にもつながります。
部下が失敗しそうなときでも、「失敗を経験値にする設計」ができていれば問題ないというのも本書のリアルなメッセージです。
任せる前後の「仕込み」と「フォロー」が重要
任せるときは、以下の3つのプロセスが鍵になります。
- 任せる前: ゴール・目的・期待する水準を明確に
- 任せている最中: 必要に応じてアドバイス、口出しは最小限
- 任せた後: 成果を確認し、良かった点・改善点をフィードバック
これらを怠ると、「言われた通りにやったのに怒られた」・「やっても認められない」と部下はモチベーションを失います。
任せるとは“手放すこと”ではなく、“見守ること”という、リーダーとしての意識転換が求められるのです。
任せる技術=褒める技術
本書では、「任せる力」と「褒める力」は表裏一体だと説明しています。
任せた仕事を終えた部下に対して、次のようなフィードバックがあると効果的です。
- 「自分にはなかった視点を加えてくれて助かった」
- 「スピードも内容も申し分なかったよ」
- 「次回は○○も意識すると、もっと良くなるかも」
このように成果だけでなくプロセスも褒めることで、部下は「自分が成長している」と実感できるのです。
また、ちょっとした成功体験を共有する「朝会」や「1on1」なども紹介されており、実践的なヒントが満載です。
モチベーションを引き出す「4+1」の法則
任せた仕事に部下が主体的に取り組むには、動機づけ(モチベーション)の理解が不可欠。
本書では以下の「4+1」要素が紹介されています。
- ①意味のある目標
- ②裁量の自由
- ③進捗の実感
- ④仲間からの承認
- +1:将来への希望
これらが揃うことで、任された側は仕事を「やらされ感」ではなく、「自分ごと」として取り組むようになります。
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『任せるコツ』の感想・書評
私は営業マネージャーとして、毎日多くの業務をこなす中で「任せること」に課題を感じていました。
「つい自分でやった方が早い」・「部下にお願いしても期待通りに仕上がらない」という思いが強く、結果的に自分が疲弊し、部下は成長できていないという悪循環に陥っていました。
本書を読み、任せるとは「手を抜くこと」ではなく、「人を育てる行為」だという考え方に強く共感しました。
特に参考になったのは、
- 丸投げとの違い
- 任せる前後の準備とフィードバック
- モチベーションの「4+1」理論
これらはマネジメントの本質を突いており、プレイングマネージャーが最初に学ぶべき知識だと感じます。
『任せるコツ』はこんな人におすすめ
- プレイングマネージャーとして業務とマネジメントの両立に悩んでいる人
- 部下に仕事をうまく任せられず、つい自分で抱えてしまう人
- 育成やフィードバックに苦手意識がある人
- 「丸投げ=悪いこと」と思ってしまう真面目なリーダー
- チームとして成果を出すためのマネジメント技術を学びたい人
『任せるコツ』は、「任せる」ことの価値を再定義してくれる一冊でした。
リーダーやマネージャーが一人で抱え込むのではなく、チーム全体で成長しながら成果を上げるためには、「任せる技術」は必須です。
任せることは、人を信じること。
そして、それが結果として自分自身の時間や心のゆとりを生むというのは、まさに現代のビジネスパーソンにとっての最重要テーマです。
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